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Rose Roll Cake*Sucre-en-Rose

先日、Sucre-en-RoseのRiekoさんにお願いして焼いていただきました。21日にやってきた海外からの友人に是非、Riekoさんの美味しいケーキを味わってもらいたくて。。。。
ローズロールケーキ 丸ごと1本お買い上げ♪
Rose Roll Cake*Sucre-en-Rose_b0249307_12564148.jpg

今日は新しく買ったお皿に盛り付けしました。
1口、口にした途端、薔薇の香りが口いっぱいに広がります☆
オーダーする時、「可能な限り甘さを控えてください」とお願いしたのですが、
(実は私、日本のケーキは甘すぎて苦手なものが多いのです)
もうばっちり♪ 素材の味が優しく舌の上で踊るようです。



このよい素材の味を一度でも味わってしまうと
もう戻れませんね。。。。
今まで「美味しい」と感じていたものが、美味しく感じなくなるのです。
本当の味を知ってしまうと。
ニセモノや余計な加えものがはっきりと分かるようになります。
味覚って本当に成長し、成熟し、昇華してゆくものなのだと
改めて思います。

Riekoさん、19日のイベントでお忙しいところ、本当にありがとうございました!
そんなRiekoさんの23日のFacebookから

長いエントリーですが、

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でも、もちろんいいものは、田舎でも高いです!何度もNHKで取材されているつくば市の『みずほの村市場』は、安全でハイクオリティーの美味しい農作物を売っていますが、手塩にかけて(低農薬だったり、有機だったりすると手間暇がかかるので、それだけ人件費もかかります)、丹精込めて作ったものは自然と高くなります。

うちで使っている卵も有機卵なので、田舎ですが、やはり高いです。でも、卵農家さんのその誠実で優しい人柄と、鶏に対する愛情、卵の味の違いや勢い(うちのロールケーキを食べるとすぐに分かります)に惚れ込んで、毎週買いに行っています。そこにいるネコちゃんや季節の美しい花々を見るのが楽しみでもあります。

この間の日曜日のイベントには横浜から助っ人がやって来ました。ボランティアさんのひとりだったのですが、私たちが韓国にいたときからの友達です。それから、フランスに帰り、日本に来て開業して現在に至るまでもう何年も私たちを知る友なのですが、彼女につくばで、これからもがんばって行くことを伝えました。

実は、開業してから後悔したことがありました。日本に帰国して今度の6月1日で3年になるのですが、20年以上も外国に住んでいて大人になってからの日本生活です。私は日本人ですが、外国に住んでいた年月の方がはるかに長いのです。恥ずかしい話ですが、最初は戸惑うことも多く、自分の母親に八つ当たりしていたこともありました。

当初は、いろんな人からシルヴァンを日本の田舎に連れて行って彼のキャリアをメチャメチャにしてもいいのかと、言われたこともありました。彼の両親、とりわけお母さんの大反対もありました。

私はそれまで主婦でしたので(6年間)、確固とした起業精神も持ち合わせずに、帰国後4ヶ月で向こう見ずにも開業したのです。根無し草のようでした。

開業後は本当に自分たちのビジネスセンスのなさと幼さに気づきましたが、時すでに遅し。借金があります。日本語の分からないシルヴァンがいます。そして5ヶ月後の震災で被災。

その後も何度も何度も辛苦を舐めて少しずつ成長して行った気がします。一緒に働くみんなの前で辛くて泣いたこともあったし、疲れ果てて立ち仕事しながら眠っていたこともありました。

一番その中でも辛かったのが、地元のお客さんから、『高い!』と言われてなかなか受け入れていただけなかったことでした。食べてみて分かることもあるとは思いますが、うちは他県のお客様、それも首都圏のお客様たちに最初の頃は、助けられていました。

その横浜の友達も、さまざまな知り合いを首都圏から連れて来てくれました。首都圏のお客様から何度も聞く、『お宅は安すぎ!東京だったら、2倍はしますよ』という言葉に、正直言いますと、次第と後悔の念が湧きました。

どうして茨城で開業したのだろう、と。

長い話ですみません。

でも、『岩の上にも3年』です。せっかちに答えを出そうとする私に、シルヴァンは『僕は幸せ。だって、自分のしたいことが出来るから』と、情熱たっぷりでした。彼は言葉が分からなくても直接、市場や農家や肉屋に仕入れに行き、次第に業者さんや仕入れ先と知り合いになって絆を深めて行きました。

朝から晩まで、彼は丁寧に何もかも手作りします。よく笑われるのですが、料理人の彼が自家製酵母を育て、毎日のパン作りから、料理のこと(ソースや出汁に当たるフォンもすべて手作りです)、ジャム作り、そして渋皮煮まですべて彼が作ります。お皿洗いから、厨房の掃除まで彼。

私はお菓子作りと自分の作業台の掃除だけです。笑

彼は、茨城が好き!田舎がいいと言います。ここで頑張って行きたい。自分の住むところは、茨城だと。東京からも近いし、ここがいいと。

その言葉を何回も聞かされて、やっと茨城県人の私も少しずつ開眼した感じがします。そうだ、田舎には田舎の良さもある。この茨城で、何か違うことをしているのもいいのかもしれない。

拙い私たちを日本に来てから、周りの人たちがず~っと支えて来てくださいました。それは家族だったり、友達だったり、お客さんたちだったり。さまざまな人々との触れ合いや絆が生まれて、今は、このつくばで一生懸命頑張りたいと心から思えるようになりました。

何よりも、うちで働いてくれるWのNさんたち、大学生のあやたろう、そしてY君とみんないい人たちばかりです。彼ら、彼女たちの素晴らしさがあって、今まで大変な時にも、やって来れた気がします。何回、彼ら(大学生のあやたろうにまで)に慰められたことでしょうか。常に笑い声が絶えず、楽しく働けます。私たちはスタッフにも恵まれていて、本当にラッキーです。

そして今まで、助けられて来た恩返しをやっとこの間、ひとつ叶えることが出来ました。それもまたたくさんの人に支えられ助けられて可能になりました。今度は皆さんの善意でもたらされた日本の文房具と寄付金を、インドのチャンデラオ村の子供たちに、実際に手渡しで届けたいと思います。(6月10日ごろ私だけ出向く予定です)

もうすぐ6月が来て、帰国して節目の3年になろうとする今、ちょこっと(長々と^^;)語ってみました。

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一行、一行、まるで自分のことのように読ませていただきました。
長い海外生活の後、日本に戻ってから日本での生活の戸惑いや
ビジネスを始められてからのご苦労など。
ひとつひとつが私への慰めのように響いてきました。
本当に心に触れられたように感じるほど似ており、涙が出そうになりました。

私も少しずつですが、帰国して2年、やっと日本での生活の中に夢を見つけて
歩き始めたばかりです。
私の人生のテーマは「自分らしく生きる」
私にとって17年の海外生活は私のこれまでの人生の中でもっとも「私らしく」生きられた時間でした。
「自分が生きている」ことを日々の生活の中で常に感じながら、命を受けられたことに
感謝しながら、「生きていてよかった」と思える充実した毎日を送ることが出来ました。
この17年が私の人生にあれば、もう私は明日死んでもいいと思えるほどの。

ただ日本に帰国することで「自分らしさ」を保ちながら生きることが出来なくなるのでは?
という恐怖がいつもあり、帰国を決断するまで2年半迷いました。
私は特にその土地に対する愛着が人一倍あり、離れ難かったのです。
日本に戻ってからも(私にとって)かなり重い異文化シンドロームになってしまい
本当に辛い毎日でした。たとえ、家族であってもそれを理解することは出来ません。
悶々とする日々がとてつもなく長い時間続いたように思います。
何度も帰国したことを後悔しながら・・・・

でも、お仕事を始めて、本当に少しずつ少しずつ、自分の居場所を見つけ
ここでも自分らしく生きてみようと思えるようになりました。

私は17年の海外生活で本当によい縁に恵まれ、多くの素晴らしい出会いを体験しました。
その理想の場所と時間の中に私はいつまでもいつまでもいたかったのだと思います。
でも、いつかはそこから卒業して、次のStepに移らなければならない時がやってきます。
それが私にとって日本へ帰国し、日本で新しい生活を受け入れることでした。

なんだか日本に帰ることで、今までのすべてを失うような気がして怖かったのかもしれません。
日本の生活に後向きだったかたくなな私の心
やはり自分を幸せにするのは自分の前向きな心だけとやっと思うことが出来るようになりました。
まだまだ自分の理想には遠いけれど、それでも最近は自分が置かれている場所に
感謝出来るようになってきましたし、
目標が出来たことで心向きの温度の変化を感じます。
今日の自分が未来の自分に繋がっている。

このように同じように感じている存在を知るだけでも
どれだけ慰められるか知れません。

いい材料で美味しい本物の料理やお菓子を作りたいと望み
妥協せずに、大衆迎合せず、自分たちの信じること、進みたい道、表したいスタイル
伝えたいことを根気よく続けてゆく心構えと、実践を伴う行動と実証
それを貫いているRiekoさんご夫婦。本当に素晴らしいです。励みになります。
信念を持ってブレずに生きることは、本当に数多くの困難があります。
すべての人に理解されるのは無理です。

でも耳障りのいい言葉、大衆ウケする言葉
それには何の価値もありません。
実際に行動で示し、継続してゆく以外、本物の道がありません。
価値が分かる人には分かりますから。
本物を理解できる人だけが回りに集まってきますから!

むしろ、こう思うのです。
このつくばの地だからこそ、新鮮で美味しい食材が豊富にあり、
そんな環境でお料理が出来る方が
遠方から時間をかけて運ばれる食材で作る都内のレストランより
ずっと恵まれていると。
シェフとして、都内のレストランで注目されるより
美味しい食材で自分のスタイルでお料理が出来る方がずっと幸せだと思います。

今日は嬉しくてシェアさせていただきました♪

by hkvege | 2013-05-23 23:04
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